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実験室に飲食物を持ち込むべきでない理由

聡明な読者の方は,次の画像をみて理解されるでしょう。

これは,当社の代表社員が学部生のころに撮影したものです。

人間というものは,しばしば認識と行動に齟齬が生じ,場合によっては重大な事故につながります。

航空機事故や交通事故などよく知られたものもありますが,農薬の誤飲事故なども相当数が発生しています。

我が国において使用される農薬のなかで,人体に相応の害を与える可能性があるものは,有機リン剤,カルバメート剤のほかトリクロロニトロメタン(クロルピクリン)やブロモメタンが挙げられます。

もっとも,農薬による健康被害が発生することは極めてまれで,死亡事例(事件性疑いを含む)の大半が有機リン剤の誤飲や不適切な保管によるものです。

誤飲事例では,酒の瓶に農薬を詰め替えたところ誤飲に至ったという事例や,農薬の容器を食品用の冷蔵庫に保管していたところ誤飲に至ったという事例が多いようです。

いずれにせよ,

①同じ場所で保管しない

②同じような容器で保管しない

は絶対に守るべきで,「試薬に似せた飲食物のラベルを作る」あるいは「試薬瓶で飲み物を提供する」など言語道断です。