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イオン移動度分光法(IMS)を用いる分析装置の価格について

空港の保安検査場では、違法薬物や爆発物検知の需要が非常に高く、各国の政府は様々な装置を導入してきました。

これらの目的で運用される装置の中で三種の神器というべきものが、①X線撮影装置(XP)、②イオンモビリティ式違法薬物・爆発物検査装置、③金属探知機です。

このうち、X線撮影装置(XP)に関しては、電池や液体の取り出しが検査場のスループットを低下させるため、フラットパネルディテクタ技術の革新とともに、2種の管電圧の線源を用いた原子番号解析機能付きX線CT(取り出し不要)への置換が進んでいます。

また、金属探知機は、ミリ波ボディスキャナが登場しました。もっとも、ミリ波ボディスキャナは「係員の目に体型が曝される」などとしてプライバシー侵害であるといった問題提起も盛んであり、市場規模は広がりませんでした。

さて、イオンモビリティはどうでしょう。この装置は、テロとの戦いを契機に技術革新が進み、保安検査業界で最も成功した分野といえます。千葉県の空港の改札前にも置いてあるあの青くて小さな箱です。

海外の空港では、ターミナルの入口で10人や20人ごとのグループに分けられ、係員が手荷物や衣服を紙で拭いこの装置で検査するという方式もありますが、とにかく操作が容易で高感度という特徴があります。

価格はどうでしょう?英国Smiths Detection社のIONSCAN 600の調達情報を確認してみると「令和6年度不正薬物・爆発物探知装置の調達二式」が約8,228万円で落札されていることから、ユニットコストは4,000万円程度とみられます。日立ハイテク製の同等品も8式の調達で1式あたり4,000万円程度であり、メーカーごとの差は小さいようです。コミックマーケットの会場で保安検査ごっこをするには少し高い気がします。

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航空法における危険物輸送の規制

離島など航空貨物が第一選択となる地域においては、宅配便などでも可燃物の引受けが拒否されることが知られています。

その法的根拠としては、「爆発性又は易燃性を有する物件その他人に危害を与え、又は他の物件を損傷するおそれのある物件で国土交通省令で定めるものは、航空機で輸送してはならない(航空法86条1項)」が挙げられます。

おおむね下記の物品が規制を受けることとなっています。

・火薬類 火薬、爆薬、火工品その他の爆発性を有する物件
・高圧ガス(引火性ガスおよび毒性ガス)
・上記以外のガスであって液化ガス又は摂氏二十度で
 ゲージ圧力二百キロパスカル以上となるもの
・引火性液体
・可燃性物質類(可燃性物質、自然発火性物質、
 水反応可燃性物質、酸化性物質および有機過酸化物)
・毒物類(毒物、病毒を移しやすい物質)
・放射性物質等(放射性物質および汚染された物件)
・腐食性物質(典型例はエポキシ樹脂溶解剤)
・その他の有害物件

規制範囲は、高圧ガス保安法、消防法、毒劇法、放射性同位元素等規制および感染症法で規制または指定された物質を網羅するものと認識してよいと思われます。

他方、離島地域の特性に応じた例外規定もあり、劇物指定の錠剤のほか、医療用酸素ボトルや診断用のテクネチウム99m注射液ジェネレータなどがこれにあたります。これらは輸送時に適切な防護措置を講ずる必要があります。